サーバーやクラウド環境を安全に運用するうえでセキュリティパッチの適用は欠かすことはできませが、すべてを人手で管理する運用には限界があります。適用漏れや作業遅延が発生すると、脆弱性を突いた攻撃のリスクが高まります。
セキュリティパッチを手動で適用する運用は、規模が小さいうちは成立しますが、サーバー台数やシステムが増えるにつれて破綻しやすくなります。担当者ごとの作業品質の差や、適用手順のばらつきによって、想定外の設定ミスが発生することも少なくありません。また、パッチ情報の確認や適用スケジュールの調整を人が行う場合、どうしても対応が後手に回りがちです。その結果、既知の脆弱性が放置され、攻撃者に狙われるリスクが高まります。
パッチ適用を自動化する最大のメリットは、運用工数を大幅に削減できる点です。これまで担当者が個別にログインして作業していた時間を、自動処理に置き換えることで、日常的な運用負荷を軽減できます。空いた時間を設計や改善などの付加価値の高い業務に回すこともできます。
自動化により、適用対象のサーバーやパッチをルールで一元管理できるため、人的ミスによる適用漏れを防止できます。特定の環境だけの更新漏れなどの事態を避けることができ、全体としてのセキュリティ水準を安定して保つことができます。
自動化されたパッチ適用は、常に同じ条件・同じ手順で実行されます。そのため、環境ごとの設定差異が生まれにくく、トラブルシューティングもしやすくなります。一貫性のある運用は、長期的なシステム安定にもつながります。
AWS Systems Manager(SSM)Patch Managerは、EC2インスタンスやオンプレミスサーバーに対するセキュリティパッチの管理と適用を自動化するためのAWS標準機能です。従来は管理者が個別にサーバーへログインし、OSごとに更新作業を行う必要がありましたが、Patch Managerを利用することで、パッチの検出から適用までを一元的に制御できます。
パッチベースラインとは、適用するパッチと除外するパッチを定義するためのルールセットです。Patch Managerでは、このベースラインを基準にスキャンや自動適用が行われるため、パッチ管理の中核となる重要な設定項目です。ベースラインでは、セキュリティパッチのみを対象にする、重要度が高いものだけを適用する、公開から一定日数が経過したものだけを許可するなど、細かな条件を設定できます。
メンテナンスウィンドウは、スキャンやパッチ適用の実行タイミングを制御するための仕組みです。自動化されたパッチ管理であっても、実行タイミングを誤ると業務時間中の性能低下や、再起動によるサービス停止などの問題が発生する可能性があります。メンテナンスウィンドウを利用することで、これらの作業を深夜や休日など、業務影響の少ない時間帯に限定して実行できます。
パッチ適用で最もトラブルになりやすいのが、OS再起動の扱いです。セキュリティパッチの中には、適用後に再起動を行わなければ完全に反映されないものが多く存在します。Patch Managerでは、再起動を自動で実行する設定も可能ですが、何も考えずに有効化すると、業務時間中にサーバーが再起動され、サービス停止を引き起こすリスクがあります。
自動化されたパッチ適用は便利である一方、不具合が発生した場合の影響範囲が大きくなりがちです。そのため、いきなり本番環境でパッチを適用するのではなく、まずはスキャンを実行して、対象になるパッチを把握する運用が推奨されます。スキャン結果を確認することで、想定外の更新や、業務アプリに影響しそうなパッチがないことを事前にチェックできます。
すべてのセキュリティパッチが常に安全とは限らず、特定のパッチが業務アプリケーションやミドルウェアと競合するケースも存在します。そのため、Patch Managerを使う場合でも適用除外するパッチを明示的に管理することが欠かせません。パッチベースラインでは、KB番号やパッチ分類を指定して除外ルールを設定できるため、影響が確認されている更新を自動適用から除外できます。
運用や設定が難しいと感じる場合は丸投げもできる外注がおすすめAWSの標準機能を正しく組み合わせることで、パッチ管理にかかる手間を極限まで減らすことができます。自動化を前提とした設計に切り替えることで、セキュリティと運用効率を両立した環境を目指すことができます。
AWSの運用をお任せするのは「手段」で、目的は抱えている課題を解決するため。ここでは代表的な委託理由を3つご用意しました。
目的別に、おすすめの運用代行パートナーをご案内します。
引用元:公式HP
https://denet.ad.jp/
Web開発や自社サービスを運営している会社など、そもそもAWSの運用がメイン事業ではない場合、運用部門がコストセンターになってしまっていることも。
本来取り組むべきなのは、もちろん会社のコア業務。注力したいなら、いっそのこと運用を丸投げしてしまう、という手もあります。
引用元:株式会社サーバーワークス
(https://www.serverworks.co.jp/)
日々の運用で起こるのは、サーバーの再起動やパッチ適用といった定型業務ばかり。
個別のトラブルは別ですが、決まりきったフローに社内のリソースを使いたくない場合、定型業務はアウトソースしてしまうのもあり。さらにラクしたいなら、自動化処理してくれるパートナーを見つけるのがベスト。
引用元:クラスメソッド株式会社
(https://classmethod.jp/aws/)
運用を任せきると安心ですが、社内にノウハウが溜まらないのが気になる。今のところ運用は委ねたいけれど、ゆくゆくは内製化していきたいので、そこまでサポートしてもらいたい。
それなら伴走しながら運用のノウハウも教えてくれるような、内製化支援ができるパートナーが理想的。